モダンダンス種目の解説
■スタンダード・モダン
競技会などがある「スタンダードモダン」の種目は、5種目あります。いずれもいわゆる燕尾服とお姫様ドレスで踊るクラシカルな雰囲気ただよう踊りです。このページでは、各種目の簡単な解説をします。
・ワルツ
123,123・・と3拍子の音楽にのって踊る,優雅な踊りです。
「まわる」という語源をもつ回転の踊りです。ゆったりとした三拍子のリズムを十分に使って、滑らかな回転を継続していきます。その回転の過程において、身体は上下に
ゆるやかな波状運動をたえず起こします。
これがワルツ独特のムーブメント(動き)ですが、ステップの原動力となるひざと足首の使い方がとくに重要です。時計の振り子のように、屈伸してもバランスを崩さない程度の力をひざと足首をつかって身体全体を横にスイングさせるように送り出せば、ワルツらしい踊りになります。
・タンゴ
タンゴの始まりはアルゼンチン、ブエノスアイレス。この南米に生まれたダンスが、ブラジルのサンバなどとは別の、ワルツやフォックストロットと同じモダン種目に属しているのはちょっと意外な感じがしませんか?タンゴといえども2つ分類されアルゼンチンタンゴと、コンチネンタルタンゴに、社交ダンスのタンゴは、後者の方に分類されるもので、アルゼンチンからヨーロッパにわたったものなのです。ですから、タンゴは意外にもヨーロッパの風を受けているので、モダン種目に入っていても不思議ではないわけです。
タンゴはテンポのよい四分の二拍子、または四拍子の曲です。女性は男性のやや右側にずれて立ち、左手を男性の肩甲骨の下に添えます。男性は右手を女性の背中により深く回し、左ひじをきちんと曲げてコンパクトなホールドを作ります。男女ともひざを軽く曲げ、重心を低くして踊ります。身体はきれのある動きをこころがけます。女性が首を激しく右に向けるのが特徴で、他の種目にはない首使いをします。
・スロー・フォックストロット
名前の由来は狐の忍び歩きに似ていることから、スローフォックストロットとなりました。
四分の四拍子の音楽にのって踊る,ゆっくりとした動きの中に、途切れず流れるような特徴を持つ踊りです。
十九世紀のダンスはやや衰退気味のヨーロッパで誕生したまったく新しいタイプのダンスでパリ中で大流行となりました。その後、全米で大反響となり、フォックストロットのスタイルが確立されたと言われています。スロー・フォックストロットは全般的に両足はそろえずにウォークし続けるのが特徴です。女性が後退するステップが続きます。とまることなく流れるように後退しつづけるので、女性にとっては難しい種目の1つとも言えるでしょう。
足の裏をよくつかって、トウ(つま先)からヒール(かかと)まで押し出すように丁寧にゆっくりと踊ることがポイントともいえます。
・クイックステップ
スローフォックストロットの速い版と言えるクィックステップは、早い4拍子の音楽にのって踊る,軽快でスピーディな踊りで、ホップするステップが多いのも特徴です。「Shall We ダンス」でも何度か登場しました。
走るような動きになるので、体力も必要とします。跳ねるような動きなので、体全体がぶれがちですが、ぶれることなく保つのがきれいに見える秘訣です。
・ヴェニーズ・ワルツ
簡単にいえば「早いワルツ」。軽快な3拍子の音楽にのって踊る,クルクルと回る軽やかな踊りです。基本的には3種類のステップから構成されています。
1750年頃、ウィーンの宮廷内で、アルプス地方に伝わる民族舞踊「レントラー」が踊られ始め、「ワルツ」と呼ばれるようになったようです。1814年、ナポレオン戦争の終結後、ウィーン会議の舞踏晩餐会で、この「ワルツ」が踊られ、会議の終了後、各国に戻ったヨーロッパの代表者たちにより、ヨーロッパ中に広まった。このウィーン発祥のワルツが「ウィンナーワルツ」または「ヴェニーズ・ワルツ」呼ばれています。